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  • 弁理士が教える特許実務Q&A~実用新案登録出願の利用~

    2020.12.15カテゴリー: ブログ
     
    【質 問】
    簡単な技術的工夫については実用新案登録というもので保護を受けることができる。
    と聞きました。実用新案登録出願はどのように利用すればよいのでしょうか?
     
     
    【回 答】
    実用新案登録出願は、物品に関するちょっとした工夫などに対して
    権利化を図るために利用することができます。
    ライフサイクルの短い発明に対して権利化を希望する場合や、
    特許権を取得するほど時間・費用等をかけたくはない場合に利用することが多いです。
     
    ◇特許と実用新案の違いとは?◇
     実用新案は、特許よりも比較的簡単な発明、いわゆる小発明(考案)を保護するものです。
     特許法では、方法やプログラムも保護対象に含まれます。
    一方、実用新案法では、方法やプログラムは保護対象に含まれず、
    物品の形状・構造等に関するもののみが保護対象となります。
     また、特許権の存続期間は特許出願の日から20年ですが、
    実用新案権の存続期間は実用新案登録出願の日から10年と、特許権よりも短くなっています。
     
    ◇実用新案のメリットとデメリット◇
     実用新案法では、形式面等に関する基礎的要件を満たせば登録される、
    無審査登録主義が採用されています。
    そのため、実用新案は特許よりも早期に権利化を図ることができます。
     一方、無審査登録主義であるがゆえに、実用新案権は、他社への権利行使には不向きな権利です。
    その理由の一つに、権利行使前にその実用新案権が有効であることを示すため、
    「実用新案技術評価」を請求する必要があることが挙げられます。
    さらには、この技術評価で肯定的な評価を得ずに他社へ権利行使し、
    その後実用新案権が無効となった場合、
    実用新案権者は相手方に対し損害賠償責任を負うことがあります(無過失賠償責任制度)。
    特許法には、このような無過失賠償責任に関する規定はありません。
     
    ◇実用新案を特許に変更できる?◇
     実用新案法には、実用新案登録に基づいて特許出願をすることができると規定されています
    (特許法46条の2)。この制度を利用すると、登録後の実用新案権を実質的に特許出願に変更
    することができます。
    このようにして実用新案登録に基づいてなされた特許出願は、
    通常の特許出願と同様に審査を経て登録されます。
     この制度は、例えば、実用新案権の登録後、製品を販売したら予想以上に売れ行きが好調となり、
    より権利安定性の高い特許権での保護を希望する場合などに有効です。
     なお、この実用新案登録に基づく特許出願は、実用新案登録出願の日から3年を経過すると行うことができない点には、注意が必要です。
     
    ◇まとめ◇
     このように、実用新案権は無審査で登録されるため早期の権利化が可能である一方、
    権利の安定性や権利行使のしやすさでは特許権に劣ります。
    発明の種類や権利取得の目的に合わせ、適切な保護形態を選択することがよいでしょう。
     

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