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  • 弁理士が教える 特許実務Q&A~「拒絶理由を発見しない」と指摘された発明~

    2021.9.29カテゴリー: ブログ

    ※「経営資料センター特許事務所だより」より抜粋して紹介しております。

    【質 問】
     特許庁で審査を受けて、拒絶理由通知書を受けました。
    最後に<拒絶の理由を発見しない請求項>という項での記載があります。
    これは何なのでしょうか?

    【回 答】
     特許出願では、特許請求の範囲に複数の請求項を設けて、
    それぞれの発明について審査を受けることができます。

     そして、請求項作成の際のテクニックとして、
    請求項1に記載の発明にさらに技術的特徴を加えた発明を、
    請求項2以降に記載することがあります。

     そうすると、請求項1に記載の発明については拒絶理由があると認定されても、
    請求項2に記載の発明には拒絶理由がないと認定されることがあります。

     そのような場合に、
    「請求項2に記載の発明については、現時点では、拒絶理由を発見しない。」
    という記載がされるケースがあります。

    ■特許出願人の取り得る対応

     「請求項2に係る発明については、現時点では、拒絶の理由を発見しない~」
    という記載がある場合には、次のような対応が可能です。

    1.請求項2の技術的特徴を含む内容に補正する対応
     「現時点では、拒絶の理由を発見しない」とされている、
    請求項2の技術的特徴を含む内容に記載の範囲に発明を限定すれば、
    大体のケースでは、拒絶理由を解消することができます。

     請求項1に記載の発明で特許権が取得できなくとも、
    請求項2に記載の発明で特許権が成立すれば十分である場合に、
    特に有効な方法です。

    2.請求項2の技術的特徴を含む内容に補正し、請求項1の発明を分割出願する対応
     上述の通り、「拒絶理由を発見しない」とされた、
    請求項2の技術的特徴を含む内容に補正すれば、
    大体のケースでは、拒絶理由を解消することができます。

     しかし、請求項2に記載の発明では権利範囲として不十分であり、
    請求項1に記載の発明の権利を取得したい事情がある場合には、
    請求項1に記載の発明について、別途分割出願をする対応も考えられます。

     これにより、請求項2に記載の発明について早期に特許成立を目指すことができる一方で、
    権利範囲の広い請求項1に記載の発明についても、権利化の道を残すことができます。

    3.補正を行わずに意見書のみ提出する
     意見書を提出し、審査官の通知する拒絶理由が妥当性を欠いていることを指摘し、
    再考を求める対応も可能です。

     ただし、審査官が「現時点では、拒絶理由を発見しない」としている、
    請求項2に記載の発明も含めて拒絶査定となるリスクもあるため、
    大体のケースでは、上記の(1)(2)の対応が推奨されます。

     いずれにしても、
    審査官の拒絶理由の妥当性や、成立する特許権の権利範囲などについて、
    専門家である弁理士によく相談してから対応することをお勧めします。


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