バイオ・ライフサイエンスベンチャー経営者のための「利益を最大化するための特許保護・活用戦略4つのポイント」
こんなことでお悩みではないですか?- 特許が最重要であることは分かっているが、あまり知識がない
- どの部分を特許にして、どの部分をブラックボックスにすべきか悩んでいる
- 海外を見据えた特許戦略はどう考えればいいのか?
- 資金獲得戦略と特許の関係は?
バイオ・ライフサイエンスのベンチャーにとって、特許は「企業価値のすべてである」といっても過言ではない最重要課題特許戦略技術が市場に出て収益を生むまで、
研究開発の期間は長期にわたり、それに必要な投資額も莫大であり
特許戦略はグローバルに行わなければならない。研究開発成果、そしてその応用の可能性の広がりを
十分にアピールし、莫大な資金を獲得しながら、
重要な情報はブラックボックスにするなど、
収益を生むまでの長期戦を戦うために
計画的に慎重に特許戦略を立てなければなりません。ベンチャー初期の特許戦略の失敗によって、
本来数十億あるはずだった特許の価値が簡単にゼロに
なってしまうことがある、
とも言われます。この記事では、バイオ・ライフサイエンスのベンチャー経営者が、研究開発の成果から得られる利益を最大化するために知っておきたい特許保護・活用の戦略について、4つのポイントをお伝えします。
4つのポイントポイント1初期の特許に、
できるだけすべてを記載すればよい?初期の特許に
何もかも記載しないバイオ・ライフサイエンスのベンチャー経営者には、研究者としてのバックグラウンドを持っている方が多いため、自身の研究成果や予測される仮説、応用の可能性を、できるだけすべて初期の特許に記載しようとする傾向があります。
ここで注意したいのが、特許権の存続期間は、“出願から20年(※)”。 一見長いようですが、この分野では本格的な事業化と収益化に10年以上を要する場合が あるため、初期の特許にすべてを記載してしまうと、ようやく稼げる時が来たと思ったら 残りの期間は10年しかなく、研究開発投資を回収できないなどということが起こりかねません。
※医薬の場合最大25年
初期の特許には、大きな概念や基本的概念のみ記載し、時期をずらして応用について特定した特許を取得する、具体的な物質や製造方法の特許を取得するなど、複数の特許の束としてみたときに、できる限り長期にわたり権利が保護できるような状況を作るようにします。
一方で、莫大な資金獲得のためには、必要な情報を公開し、応用の広がりをアピールしなければなりません。その際の情報公開の程度や方法も、特許への記載内容と整合を取りつつ、コントロールしていくことが重要です。
ポイント2先々のライセンス契約につなげるために、
やっておくべきことは?アライアンス先に合わせて
権利の幅を広げるバイオ・ライフサイエンスベンチャーの収益化モデルの代表的なものに 製薬企業や食品メーカーへの特許ライセンス契約や、共同研究開発契約を行い、マイルストーン収入やロイヤリティ収入を得るモデルがあります。
製薬企業や食品メーカーへの特許ライセンス契約や共同研究開発契約をいい条件で締結するためには、ベンチャーが、提携先の企業の将来事業の独占に寄与する強い特許を保有していることが重要です。
例えば、その企業がターゲットとしている製品カテゴリについて特許がとられていない、 その企業が主要市場と位置付けている国の権利がない等、メーカーの収益を確保するために必要な特許がないとなると特許の価値はとても低くなってしまいます。
また、提携先に何をライセンスするのか? あらゆる可能性を考えておく必要があります。
例えば、スクリーニング方法に重要な知財 を持つベンチャー。スクリーニングされた物質をライセンスすることもあれば、スクリーニング方法を部分的にライセンスすることもあるかもしれません。
まだ、提携先が見えないときから、将来の提携先の候補を多方面から想定し、その想定した提携先にメリットがあると考えられる権利化を計画することが重要です。
ポイント3海外での特許化の進め方は?
まずは、限られた国で特許を取得すればよい?特許はグローバルに保有していないと価値はない。一方で、資金力が限られているベンチャーにおいて、初期段階からグローバルに複数の権利を出願し、権利化することは容易ではありません。
このような中で、ひとまず資金が許す範囲で・・・と、限られた国で1件の特許を取得したいと、最初の出願を限られた国で急いで権利化してしまっているケースを見かけます。
まず、日本で出願日を確保し、1年以内に国際特許出願(PCT出願)を行う。 1年半後に 必要な国をできるだけ多く選択して移行をする、
というように、出願日や権利化の可能性をできる限り広く確保しながら進めていくことが重要です。ポイント4最初の1件の特許は、
どのような範囲で出願しておくのがよい?権利化を急がず、
周りを見ながら臨機応変に権利の形を変えるバイオ・ライフサイエンスベンチャーにとって、応用分野や提携先の可能性は無限に広がっています。
その一方で、資金力が限られているベンチャーにおいて、初期段階で、必要な権利を必要な数保有することは容易ではありません。
このような中で、ひとまず資金が許す範囲で、1件の特許を取得しようと、最初の出願を急いで権利化してしまい、より広い権利取得の道を閉ざしてしまっているケースを見かけます。
提携先の予測のポイントでも説明しましたが、有益な提携先との契約交渉にあたり、相手方のメリットとなる権利がないと、話になりません。
ここで、まだ、その権利を取れる道が残されていればいいのですが、自らの出願の明細書にはその考え方が記載されており公開されてしまっているとなると、新たな特許も取れな いということになりかねません。
1つの権利化を急ぐのではなく、いかなる権利も取りうる出願の状態を作っておき、資金調達の状況やアライアンス先の選定を横目でにらみながら、必要な部分について権利を取得していくことが重要です。
また、ある部分について権利を取得する方向で進めるときも、分割出願制度を利用して、 将来、他の方向性での権利化できるように道を残しておくといった戦略も重要です。
もっと詳しく知りたい!ダウンロード資料をご用意もっと詳しく知りたいという、バイオ・ライフサイエンスベンチャーの経営者向けに、具体例を交えて、特許保護・活用の戦略をまとめた資料をご用意しました。
バイオ・ライフサイエンス系に強いみなとみらい特許事務所の経験を盛りだくさんに詰め込んでいます。ぜひ一通り目を通して、ご活用ください。
本資料で得られるメリット
- これから特許を取得し、活用していくうえで今から考えておくべきことの基本的な視点を得ることができます。
- 貴社の会社の価値を最大化するために、ご活用いただけます。
本資料の特徴
- バイオ・ライフサイエンス系を専門とする弁理士2人が執筆
- ベンチャーの立場で大企業 との提携を支援する中で実際に経験したことに基づいて執筆
- ベンチャーと契約をしたり、ベンチャーに投資をする大企業の立場での経験に基づいて執筆
執筆弁理士
学歴・経歴:
京都大学大学院 生命科学研究科 博士課程修了
理化学研究所にてリサーチアソシエイト
最先端の技術を扱う創薬ベンチャー、バイオインフォマティクススタートアップの顧問、代理人として、特許戦略から、知財関連契約までサポート。
大手製薬企業の訴訟の経験も豊富。大手企業の顧問として、大学発ベンチャー等との提携契約等をサポート。専門分野:
医薬、バイオテクノロジー、バイオインフォマティクス、微生物、化粧品、食品、有機材料、有機合成、高分子材料、医療機器、診断機器
学歴・経歴:
お茶の水女子大学 理学部 生物学科
15年以上にわたり、大手製薬企業、化粧品メーカー、食品メーカーの代理人として、バイオ・ライフサイエンス系スタートアップとの契約を支援してきた実績。専門分野:
化学、医薬、バイオテクノロジー、化粧品、食品、有機材料、高分子材料、医療機器、診断機器
本資料の内容
<目次>
- 資金調達の肝となる特許
- 特許の基礎知識
- 特許保護
- 特許活用
- 特許には何をどこまで記載していいのか
- 特許にするか?ブラックボックス化するか?
- 初期の特許に何もかも記載しない
- すぐに権利化するだけが得策ではない
- アライアンス先に合わせて権利の幅を広げる
- すぐに権利化せず変幻自在となるように置いておく
- 海外での特許化の進め方
- 侵害回避調査の重要性
- 薬事との連携の必要性
- 共同研究の契約に注意
- 特許だけでない!意外と大事なブランド
- みなとみらい特許事務所の知財コンサルティングサービス
追伸: ベンチャー経営者の初めての特許戦略において「間違った方向に一歩目を踏み出してほしくない」という想いで、お伝えしておきたいことを書いています。ご活用いただければ幸いです。
お気軽にご相談・お問い合せくださいませ